「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜傷つけず治療可能〜 

(2009年5月15日(金) 北國新聞に掲載分)

「美しい肌を保ちたい」。美肌は時代を超えた女性の永遠のテーマ。
そんな美容の大敵であるしみを、日常生活の工夫や病院での治療でなくせるのだろうか。

■ 許容量超え発生
しみは、ほお骨辺りなどにできる薄褐色の肝斑、最も多いといわれる黒っぽいしみの日光性黒子、丸く小さな斑点のそばかす、顔の左右に灰褐色か黒褐色の色素が沈着する対称性真皮メラノサイトーシスの四種類に大別される。

しみはなぜできるのだろう。
金沢有松病院皮膚科・美容皮膚科の竹田公英医長は、紫外線が主な原因であることを指摘する。
竹田医長によれば、人はそれぞれ生涯に浴びる紫外線の許容量は決まっており、それを超えるとしみが現れ始めるという。
許容量を超えると、紫外線から肌を守るメラニンを過剰に作る細胞「しみ爆弾」が生まれ、どんどんしみができてしまうのだ。
しみをつくらないようにするには、なるべく日にあたらないようにしたり、日焼け止めを使ったりして紫外線から体を守る必要がある。
「許容量は一般的にそれほど多くはありません。いつも日に当たっている人なら二十代で多くのしみができても不思議ではない」と竹田医長は強調する。

■ メラニンを排出
それでは、できてしまったしみを取り去るにはどうしたらよいのか。
竹田医長は近年導入された「フォトフェイシャル」の効果を強調する。
フォトフェイシャルは、レーザーを束ねた光を皮膚に当てて皮膚の代謝を促進し、肌の外にメラニンを排出してしみを取る。
従来のレーザーを直接照射してメラニンを破壊する治療法では、しみの周囲の細胞まで傷つけてしまい、かさぶたができることが多かったが、フォトフェイシャルは肌を傷つけずにしみを徐々に薄くできる。肝斑、日光性黒子、そばかすに効果があるという。

メラニンを分解する薬や、肌に微弱な電流と超音波を流しながらしみの解消に効果のあるビタミンCを染み込ませる方法を併用することで有効性が高まるという。
「肌は人間の表面を守っている大切な『臓器』。しっかりケアすることが、しみやその他のトラブルを防ぐことにつながる」と竹田医長。
まずは、紫外線の情報に敏感になることからだ。