「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜認知症に直結する低血糖〜

■高齢者の糖尿病に注意
近年、高齢者の糖尿病患者の急増を受けて「高齢者の血糖コントロール目標」が、糖尿病学会と老年医学会の合同委員会から発表されました。

要点は二つあります。まずは認知機能・身体機能の程度、重症低血糖(血糖値が下がりすぎた状態)が危惧される薬の使用の有無と、年齢によって患者を七つのグループに分け、それぞれに血糖コントロール目標、つまり平均血糖を示すHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値をきめ細かく提示したことです。HbA1c値は糖尿病のコントロールが悪いほど高くなります。

もう一つは、目標HbA1c値に下限を設定することにより低血糖の回避を重視したことです。

良好な血糖コントロールと低血糖は紙一重で、高齢者糖尿病では低血糖の危険性が高まる上に、低血糖が認知症の原因の一つでもあり、高齢者糖尿病は糖尿病でない高齢者の2〜4倍、認知症になりやすいとされています。 また、認知症が糖尿病のコントロールを悪化させるとう悪循環をも形成します。
物忘れ、異常行動、転倒など認知症と間違われやすい症状も低血糖によることがあるので注意が必要です。