「健康トピックス」

北國新聞 ”健康ノート”、”丈夫がいいね”、”健康よもやま話”
金沢有松病院分掲載中

〜イボ痔は注射でも治る〜

内痔核(ないじかく)は一般的にはイボ痔と言われている病気です。 肛門付近にある細い血管がうっ血して、イボ状に膨らむことで起きる病気です。

肛門の外にイボが脱出したり、痛んだり、出血したりといった症状があります。 寒さや飲酒、排便時のいきみで症状が悪化しやすく、女性の場合は妊娠・出産で悪化することも多いです。 予防するためには下痢や便秘をしないことや、入浴などで肛門を温めることが大事です。

症状の程度に応じて、いくつかの治療方法があります。注入軟なん膏こうなどによる薬物治療や、 切除手術のほかに、薬剤の局所注射による硬化療法もあります。

硬化療法は、局所麻酔や腰椎麻酔をした上で、内痔核そのものに特殊な薬剤を注入し、 固めることによって腫れや出血、痛みを抑えられます。 最近、保険診療で使われている薬剤は、漢方薬の成分を抽出して硬化療法専用の薬剤として商品化されたものです。 病気の程度を選んで治療を行えば、効果もまずまず期待できて、痛みや副作用の少ない治療方法です。 手術はちょっと怖くて、という方も考えてみてはいかがでしょうか。

内痔核は生活の快適さに大きく関わる病気です。 少しの勇気で毎日の生活が快適になるかもしれませんよ。


外科 医長 今川 健久